「経費で落ちるのはどこまで?フリーランス1年目が迷う経費精算」
フリーランスになると、個人で仕訳をしなければいけません。そして、初めて確定申告するときにある問題に当たります。
「一体、必要経費として精算・申告できるのは、どこまでなのだろうか?」
実際問題として、その線引きは非常に分かりにくいかもしれません。ここでは、どの範囲までが必要経費として認められ、控除対象になるのか、解説していきたいと思います。
フリーランス1年目が迷いやすい経費項目5選
仕訳項目はたくさんありますが、特に目にする項目について5つ紹介したいと思います。
節税につながるケースもありますので、これを機会に仕訳と税金の関係について興味を持っていただければ役に立つと思います。
ほぼ必要経費として精算できる交通費
仕事場までの往復交通費はもちろん、事業内容によっては出張も頻繁にする機会もあるでしょう。交通費はほぼ全額を必要経費として精算することができます。視察旅行でも問題ありません。
電車賃の領収書は必要か?
電車で取引先まで向かった場合に、わざわざその電車代を証明する領収書をもらっておかなければならないのでしょうか?
その答えは、NOです。
公共交通機関を利用した場合は、区間を申告すれば交通費は自動的に計算できますので、領収書は必要ありません。タクシーは領収書がもらえますので、必ず領収書はもらいましょう。
判断が難しい交際費
取引先との会食、仕事仲間との情報交換、お中元などの贈答品など、仕事をする上で交際費は必要になります。その交際費も必要経費として精算することができます。現在は取引していなくても、「これから取引相手になるであろう人」との交際もこれに含まれます。
フリーランスならば、交際費のほとんどを必要経費として計上することが可能ですが、「接待ゴルフはいいの?」「キャバクラやクラブも含まれる の?」など、どこまでも交際費として範囲を広げていいのか疑問もあるでしょう。
その判断軸は、「利益を出すために必要な支出であることが説明できるかどうか」です。
例えば、同じ旅行費であっても、「取引先と会議するための旅行に行った」であれば交際費ですが、「社内の従業員と慰安旅行で楽しみました」だけでは交際費として認められません。つまり、「誰と」「いつ」 「どこで」「利益に繋がるための交際をしたのか」という説明ができなくてはいけないのです。
税務上の取扱いに注意が必要な家事関連費
家事関連費とは、家賃や水道光熱費、通信費のことを指します。
もしも自宅を職場として兼用している場合には、家事関連費を考える上で注意が必要です。この場合、家賃や水道光熱費、通信費の全額を必要経費として精算することができません。
必要経費として計上できるのは、あくまでも事業用用途に限定されます。そのため、「自宅の何割を業務スペースで利用しているのか」「業務用機材で使っているコンセント数はいくつか」など、合理的に計算をして、事業用と私的利用を区別しなければいけません。
これを家事按分と言います。
金額に注意!消耗品費
燃料費・文房具代・備品などは消耗品として計上できます。
ただし、10万円以上のものは資産として見なされますので、減価償却費として計上することになりますので注意してください。同じパソコンでも、ば5万円のものと10万円のもので仕訳が異なるということです。
この減価償却は、製品によって耐用年数があらかじめ決められています。例えば、パソコンは4年、自動車(新車)は6年となります。10万円のパソコンは年間25,000円を4年に分けて計上することになります。
節税を考える場合に、この仕訳内容は重要になりますので、覚えておきましょう。
今年の節税を考えるなら中古車!車両関係費
都内から外れると、交通手段が自動車の人も少なくないでしょう。その自動車も事業のために使っているのならば、「車両関係費」として計上できます。
もちろん、自動車にまつわるガソリン代・駐車場代・保険料・車検料・整備費・修理代なども全て含みます。ただし、これも消耗品費で説明したように場合によっては減価償却費に当たることがありますので、注意が必要です。
新車もしくは新車に近い中古車 (4年以内)は耐用年数6年の減価償却として扱うことになります。一方で、4年以上経過した中古車の耐用年数は2年になります。
つまり、この2年間で比較的利益が見込めている場合は、同じ金額でも中古車を購入したほうが経費精算額を積むことができ、節税にも役立てることができます。
まとめ
フリーランスになったばかりだと、領収書をもらう習慣さえないので、戸惑うことが多いでしょう。しかし、自身の生活を守る上でも、より豊かな生活にする上でも、経費やそれにかかる税金の関係はしっかりと把握しておくべきです。
これを機会に、仕訳項目に一通り目を通しておくことをおすすめします。