ITエンジニアの転職に適した年齢は?
ITエンジニアとして働かれている方は、まわりに転職経験者が多いと感じている方も多いのでは?
しかしいざ自分もと思うと、「まだ経験不足と見なされてしまうのではないか」または「遅すぎてもう採用してもらえないのでは」と不安に思うことも多いでしょう。
どのくらいの年齢での転職が、最も有利となるのでしょうか?
転職の平均年齢は上昇傾向
現在、すべての職業において、転職者の平均年齢は上昇する傾向にあります。
もともと就業者の年代が若かったIT系においては、この傾向は顕著に現れています。最近10年の平均転職者年齢は、3〜4歳ほど上昇している調査結果もあります。
これは、単純に「年齢が高くても転職が出来る」ということだけを意味しているわけではありません。
採用する企業側は年齢が高い人を面接し、評価し、採用する機会が増えていることを意味します。そのため、転職希望者に対して求められる「スキルレベル」は、必然的に上昇していく傾向にあるといえます。
ただ「若い方がいい」という採用は行われにくくなり、企業にとって、「より良い人材」を採用する傾向があると言えるわけです。
この傾向は、今後しばらくの間は変わらないでしょう。
IT系のように生まれてから日が浅く、構成している人口の年齢がもともと若かった業界では、より一層顕著になっていく可能性もあります。
今後の転職では、若さよりも能力が重要になっていくと考えられます。
若い人が転職を成功させるためには?
もちろん、ITエンジニアの採用をする側としては、ただ「若くて体力のある人材」を欲しているケースは、確かにあります。
しかし、そのような採用に対してわざわざ転職を希望したいケースは、そう多くないでしょう。転職を通して、エンジニアとしての自分の価値を上げることを目的とするはずです。
そのためには、「ただ若い」だけでは良い転職はできません。
また、今後人材を育てていくことに重点を置いている採用もあるかもしれません。しかし一般的には、中途採用で求めるものは「即戦力」であり、明日からでも第一線で稼働してくれる人材であることが普通です。
そのため、転職を成功させるために求められるのは「十分なスキル」であると言えます。採用する側が求めるものも、「十分なスキル」なのです。
何歳になったら、とか何歳になる前に、など焦ることは、良いことではありません。現職を通じて「経験を十分に積んだか」「外で通用するレベルのスキルになったか」を見極めてから転職に踏み切ることが、成功の秘訣と言えます。
だけど…。どんなスキルが必要なのですか?
「十分なスキル」が必要、と書きましたが、「十分なスキル」というのは、実はそれほどハードルの高いものではありません。何年かITエンジニアとして仕事をしていた人であれば、大抵は備えているものです。
ところが、多くの人は「自分にどんなスキルがあるのかどんなスキルがあるのか」を把握できていません。
JavaScriptの経験があります、PHPの経験があります。と言った把握では不十分です。
自分が関わったプロジェクトでどんな経験を積んだのかを、しっかり「細分化」してみましょう。
class設計をしたな、ライブラリを作ったな。これは立派な経験です。
または、仕様について企画の人とやりあって変更させたな、ユーザービリティを考えて新しい挙動を提案したな。
そのような「実装以外」の部分の経験こそ、転職後に役に立つものでもあります。
これらはすべて、あなたの経験であり、身につけた「スキル」です。
これらの項目を並べることが出来たら、すでに「適した年齢」です。それらを面接で十分にアピールしましょう。
年齢が高くなりすぎると不利になるのですか?
逆に、年齢が高くなりすぎたと感じている場合。
何年も前から、「エンジニア○○歳限界説」などが囁かれ、年齢が上がると不利になるのではと思う人も多いかもしれません。
しかし採用側の視点では、経験豊富な人材は重要なのです。
ところが、確かに採用の現場では、年齢が高い人材を避けるケースが存在します。しかしそれは、年齢が上だから、という理由で採用されないわけではありません。
年齢が高いことの一般的なイメージとして、「経験に固執しすぎる」ことがあります。
今までやってきた手法、やり方が一番いいと信じ込んでしまう気持ち。これらはただの「流儀」に過ぎず、たいていの採用担当者は、「この人はうちの会社に馴染んでもらえない」と判断するだけかもしれません。
ITエンジニアには、常に新しい技術の吸収を求められているのはご存知の通りです。
毎年、いや毎月のように新しい技術や手法が生まれ、トレンドは移り変わります。
その中でも、あなたの経験は必ず役に立つものです。しかし手法に固執するようでは邪魔になります。
十分な経験とスキルは、新しい環境の上で使ってこそ活かされるものなのです。
結局のところ、転職適齢期はありません。
IT業界はトレンドの移り変わりが早く、常に新しい技術を吸収し続ける必要があります。
大事なのは、様々な経験を細分化し、自分に今まで与えられた「スキル」とはなんであるのかをきちんと把握すること。
自分のスキルがどのように応用できるのかを考えることなのです。
来月には新しい技術トレンドが出てくるかもしれません。構築方法は一変するかもしれません。そして新しい会社には、その会社の流儀や手法があるでしょう。
自分の「スキル」を応用し、また新しい「スキル」とすること。このことさえ忘れなければ、転職が早すぎる、遅すぎるということはないのです。
まず、自分の持つ「スキル」を把握してみてください。
把握できましたか?
では、すぐにでも転職活動を始めてみてはいかがでしょうか?