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フリーランスの退職金!小規模企業共済とは?

企業勤めの場合、会社を退職すると退職金が支給されることがほとんどです。昨今では、退職金制度を廃止している企業も見るようになってきましたが、日本の終身雇用を基調とした風習の中では、一般的な制度となっています。フリーランスとなると特定の企業に勤めているわけではないので、退職金という制度とは無縁のように思えます。しかし、フリーランスには自分で積み立てていく退職金制度、小規模企業共済というものです。今回はこの小規模企業共済についてご説明します。

 

フリーランスになって退職金について考える(考えたことある?)

フリーランスになると、自分で自由に仕事を行うことができるというメリットがありますが、会社員にある様々な福利厚生制度がなくなってしまうというデメリットがあります。その中の1つが退職金です。

そもそも、フリーランスには定年退職という制度自体がないため、決められた際限はありません。若いうちは体力や健康に自信があるため、老後のことなど考えなくてもよいかもしれません。しかし、やはり年齢とともに体力的に衰えてくると、現役を続けていくのが難しくなる人も多くなりますし、働き方が変わり、収入も大きく変動してくるかもしれません。また病気や怪我といった突発的なリスクもあります。

独立当初というものは、仕事を軌道に乗せることで精いっぱいで、老後や病気のリスクのことまで考えている余裕はないかもしれませんが、福利厚生制度がないフリーランスだからこそ若いうちから退職金のことは考えておいた方がよいでしょう。

 

小規模企業共済とは

小規模企業共済とは、独立行政法人中小機構が運営している共済制度です。個人事業主が事業を廃業した際や、中小企業の役員が退職した際に、積み立ててきた掛金を元に共済金を受け取れます。

共済金の掛け金は、全額所得控除を行うことができるため、利益が上がりすぎて所得が過大になったフリーランスは、節税対策としても小規模企業共済を利用することができます。

加入条件

小規模企業共済の加入条件は以下の6つのうちどれか1つに該当する人です。

  1. 建設業、製造業、運輸業、サービス業(宿泊業・娯楽業に限る)、不動産業、農業などを営む場合は、常時使用する従業員の数が20人以下の個人事業主または会社の役員
  2. 商業(卸売業・小売業)、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)を営む場合は、常時使用する従業員の数が5人以下の個人事業主または会社の役員
  3. 事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員や常時使用する従業員の数が20人以下の協業組合の役員
  4. 常時使用する従業員の数が20人以下であって、農業の経営を主として行っている農事組合法人の役員
  5. 常時使用する従業員の数が5人以下の弁護士法人、税理士法人等の士業法人の社員
  6. 上記1、2に該当する個人事業主が営む事業の経営に携わる共同経営者(個人事業主1人につき2人まで

卸売業、小売業、サービス業、税理士法人、弁護士法人の場合は従業員5人以下、その他の経営者は従業員が20人以下の規模の経営者であれば加入することができます。

ただし、フリーランスの配偶者や、商業登記簿謄本に登記されていない会社役員、兼業で事業を行っているサラリーマン、協同組合、医療法人、学校法人、宗教法人、社会福祉法人、社団法人、財団法人、NPO法人等の直接営利を目的としない法人の役員等、生命保険外務員などは加入することができません。

加入手続き

小規模企業共済は、中小機構へ直接申し込むことはできないため注意が必要です。加入手続きは、中小機構が委託契約している全国の金融機関や商工会、商工会議所が窓口となります。

金融機関から交付される中小機構の申込書と、フリーランスの場合は確定申告書、初回を現金で支払う場合には掛け金が必要になります。また、フリーランスとして開業したばかりで、確定申告書がない場合には「開業届」の控えを用意する必要があります。

開業届は税務署へ提出することで、受付印をついた開業届を入手することができます。口座振替の手続きを行い、中小機構の審査に通過できれば、共済手帳という年金手帳のようなものが中小機構から送付され手続き完了です。共済掛金は月払い、半年払い、年払いの中から選択が可能です。

 

小規模企業共済のメリットと注意点

フリーランスの方にとって小規模企業共済はどのようなメリットや注意点があるのでしょうか。

課税対象となる所得から控除

小規模企業共済のメリットとしては、掛金が全額所得控除できるという点にあります。フリーランスは利益が出すぎると、所得税が多くなってしまう場合があるります。小規模企業共済は、所得税の計算時に控除できるため、節税としても最適です。

無理のない掛金が選択可能

月額掛金は1,000円から70,000円までの範囲で自由に選択することができ、自由に500円単位で増額や減額を行うことが可能です。経営状況が良好な時は掛け金を多くして、経営状況が厳しい時には減額するといったことができ、経営が不安定なフリーランスにはメリットであると言えるでしょう。

損金算入はできないので注意

注意点としては、事業の費用として損金算入や必要経費に含めることはできない点です。あくまでも事業の中で生じた所得の中から、個人で支払うことになっているため、所得税の計算時に控除を行うことができるというもので、所得確定前の費用に掛金を計上することはできません。

また、小規模企業共済は運用方針が厳格に定められており、その対象は銀行の預金や国債などの政府発行債券などといったような堅い資産に限定されています。これだけの低金利時代ですので、それほどの運用利回りは期待できず、多くの運用益は見込めませんが、どちらかと言えば税金対策として加入している人が多いようです。

 

小規模企業共済の受取方法

小規模企業共済は事業を廃止した際に一括でも分割でも受け取ることもできます。一括の場合は、請求時に一括で受け取る方法で、分割は〇年分割のように決められた期間の間に全額を請求する形になります。またそれらを併用した受取方法もあります。

 

最後に

フリーランスの方の場合、自身で将来に備えた準備をしていかなければなりません。その時のために、今回ご紹介したような共済金制度もありますし、各種保険制度もありません。しっかり知識を蓄えて、不安のない将来に向けて準備できるといいですね。